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投球による肩の痛み(肩投球障害)

肩の構造

腱板またはローテーターカフとは肩甲骨(貝殻骨)から上腕骨(二の腕の骨)につながる小さな四つの筋肉、腱の総称です。 これは肩甲骨の肩峰という部分の裏を通り上腕骨の頭を包み込むように被っています。
投球やテニスのサーブなど肩を回すスポーツでは肩の痛みを来すことがよくあります。 まず、投球を例にとって痛みを生じる原因を考えてみましょう。

投球動作について

投球動作は図のように4つの相に分解して考えます。
まず、両足が地面についているワインドアップ期、片足があがり腕が後ろにまわるコックアップ期、後ろに回った腕が前に振り出され、ボールが離れるまでの加速期、ボールが離れてから腕が完全に振り下ろされるまでのフォロースルー期に分けられます。
それぞれの相で肩がどんなふうに動いているかみていきます。
まずワインドアップ期ではそれほど肩には力や負担はかかっていません。しかし、コックアップ期の最後には肩は完全に後ろにねじ上げられた状態になっています。このときには上腕骨や腱板と肩甲骨の後ろが衝突したり、前の関節唇が上腕骨によって圧迫を受けたりしています。次に加速期からフォロースルー期にかけてはボールに与えるエネルギーとともに上腕骨は前方に離れようとします。これを肩甲骨にしっかりと安定させるのが腱板の役割です。したがって腱板の力が弱いままで強いボールを投げるような練習を繰り返すと腱板そのものを傷めてしまうわけです。

投球障害のパターン

上で説明したように投球障害にはいくつかのパターンがあります。

1.腱板炎、腱板損傷

投げすぎによることが多く、症状の軽いものから腱板そのものに断裂などを生じているものまであります。

2.インピンジメント症候群

腱板と肩峰が衝突したり、腱板と後方の肩甲骨とが衝突するために生じます。

3.関節唇損傷

前方や後方、ときには上方の二頭筋(上腕の筋肉)の付着部の関節唇が傷むことがあります。

投球障害の治療

治療の第一は障害の原因と程度を明らかにすることから始まります。そのためにMRIという画像診断装置で肩を写し出したり、麻酔注射を肩に打って痛みが取れるかどうか調べたりします。また、場合によっては関節鏡で直接、肩の中を覗いて検査をすることもあります。
程度が軽い場合は2〜3週間の投球禁止ののち、腱板の筋力訓練をはじめます。筋力訓練とともに徐々に投球を開始し、4〜6週間で全力投球までもっていきます。
訓練だけで症状が取れない場合や明らかに手術が必要な状態であれば関節鏡を使った治療や手術的な治療を行います。この場合は全力投球まで3〜4カ月必要になります。